コロナワクチン3回目接種開始へ

新型コロナ「第5波」収束、ワクチン3回目接種で「第6波」に備える

【2021年11月28日現在】

ようやく収束した過去最大の新型コロナ「第5波」

今夏に猛威を振るった新型コロナ「第5波」がようやく収束しました。
振り返ってみると東京2020オリンピック開催前から感染者が増加し、2021年7月12日に4回目の緊急事態宣言が発令されました。しかしオリンピック終了後も全国で新型コロナウイルス、とくに変異ウイルス「デルタ株」の感染が拡大し、一時は全国で連日20000人以上の感染者が発生していました。
9月になりようやく全国の感染者、療養者が減少し、9月30日に緊急事態宣言が解除されました。
そして11月22日に国内で新型コロナウイルス感染者が45人確認されましたが、これは今年の最少人数です1)

新型コロナ「第5波」を振り返る

国内の新型コロナウイルス感染症の患者数は、7月から従来のコロナウイルスと比べて感染力が強い「デルタ株」と呼ばれる変異ウイルスの感染が拡大したため、8月には全国で連日2万人越えが続き、8月20日には25900人を超えて過去最多となりました。また入院治療を必要とする重症患者数も1500人を超える日が続きました1)
9月半ばから感染者数が急速に減り始め、10月以降現在まで感染の再拡大が抑えられています。第5波が急に収束した理由はよくわかりませんが、ワクチン接種の普及や人々の行動抑制、あるいはウイルス自体の変異など、複数の要因が関係していると考えられます2,3)
この過去最大の第5波により、これまでの第3波、第4波のピークを超える重症患者が発生したため、軽症から中等症の患者は医療機関に入院できず、自宅での療養を余儀なくされました4)
第5波が終息した現在、国や地方自治体、医師会などは、第6波の到来までに十分な医療提供体制を整える必要があり、その準備を行っているところです。

国内の新規陽性者数の推移
国内の重症者数の推移

岡山県においては7月から感染者数が増加し、8月11日時点で岡山県の感染状況はステージ3(感染急増)でした。しかし新規感染者数、療養者数、PCR陽性率がステージ4(爆発的感染拡大)であり、病床使用率も急増していたことから、総合的判断をステージ4に引き上げることが適当だと前回の記事(8月14日公開)で指摘しました5)
その後8月17日、政府は岡山県を含む10県にまん延防止等重点措置の適用を決定しましたが、8月18日時点で岡山県は総合的判断をステージ3のまま維持しました6)。奇しくも同日に岡山県内で307人の感染が判明し7)、過去最多の217人を大幅に更新、そして8月24日、岡山県は感染状況をステージ4に引き上げました8)
しかし新規感染者や療養者の増加に歯止めがかからず、医療提供体制も逼迫したため、政府は8月27日から岡山県を緊急事態宣言の対象地域に追加しました。
9月になりようやく感染状況が改善したため、政府は9月13日から岡山県を緊急事態宣言からまん延防止等重点措置に変更しました。そして9月30日に重点措置を解除しました。

岡山県の新型コロナウイルス感染状況

11月現在、国内の新型コロナウイルス感染症はかなり抑えられています。しかし全国各地で散発的にクラスターが発生しており、感染対策を引き続き続ける必要があります。
岡山県においても、県内各地で11月以降に学校や高齢者福祉施設などでクラスターが起きており、そこから感染が広がっていることが確認されています9)。10月下旬から11月上旬の人口10万人当たりの新規感染者数は全国平均の約4倍と、岡山県が全国最多になりました9)。その後新規感染者数は減少していますが、それでも全国の中では高い水準に留まっています。
この要因として、基本的な感染予防策の徹底不足、行動制限の緩和による人流の増加、ワクチン未接種などが考えられています。
引き続きマスク着用や手指消毒、3密(密閉、密集、密接)の回避といった感染拡大防止対策をしっかり続ける必要があります。

岡山県のコロナワクチン接種率は下から3番目⁉

5月から高齢者からワクチン接種が開始され、6月まで順調にワクチン接種がすすみました。しかし7月になり国から地方へのワクチン供給量が減少し、全国各地でワクチン接種の新規予約を一時停止する事態となりました。
岡山市では7月9日からワクチン接種の予約受付が停止され、8月10日から再開されました10)。しかし8月以降も医療機関へのワクチン供給は制限されたままでしたので、ワクチン接種を希望する方が接種できない状況が続きました。当院では診察時間内および時間外にワクチン接種を行いましたが、来院された方々から予約をとることが難しかったとのご意見を数多く伺いました。
下図のように、現在岡山県のワクチン接種率は沖縄県、大阪府についで全国3番目の低い水準に留まっています11)
今後県内のワクチン接種率を向上するには、岡山県および県内の市町村においてより一層連携を図り、国から供給されるワクチンを適切に管理し供給する体制の構築が不可欠です。

https://news.yahoo.co.jp/pages/20210712a

都道府県別 2回目のワクチン接種を終えた人の割合
(岡山県は沖縄県、大阪府についで3番目に接種率が低い)

2021年12月から3回目のワクチン接種開始へ

新型コロナウイルスのワクチン接種が世界で最も進んでいるイスラエルでは、新型コロナウイルス感染症が今年6月以降急速に増加しました。最近の論文12)によると、とくに早期にワクチン接種を済ませた人ほど感染発症率が高いと報告されました。また重篤な感染症についても同様の傾向がみられました。著者らは感染の再拡大の理由として、第一にデルタ株の流行によるワクチンの有効性の低下、第二にワクチン接種により獲得した免疫力の低下を挙げています。
すでに海外では新型コロナウイルスワクチンの追加接種(3回目接種)を開始している国がありますが、いよいよ日本でも12月1日から、2回目のワクチン接種終了から原則8か月以上経過した18歳以上の人を対象に、3回目の追加接種が開始されます13)。実際には12月から医療従事者に、そして来年2月から高齢者に追加接種が開始されることになります。
岡山県のワクチン接種率は国内では低い水準にあるので、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、今後さらにワクチン接種をすすめる必要があります。
また、岡山県における新型コロナウイルスの感染者数は全国的に高い水準にあるため、ワクチン接種の推進と同時に、基本的な感染防止対策を徹底しなければなりません。
11月になり、南アフリカなどで新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が検出されました14)。感染力や重症度などまだ分かっていないことが多いですが、これから日本国内へ侵入する可能性がありますので、引き続き手洗いやマスク着用など基本的な感染対策を継続し、できる限りワクチン接種を完了することが重要です。

参考資料

1) 新型コロナウイルス感染症について(2021年11月26日現在),厚生労働省ホームページ.
2) NHKニュース(2021年10月6日),NHKホームページ.
3) 特集 新型コロナウイルス(2021年9月20日),毎日新聞ホームページ.
4) NHKニュース(2021年9月17日),NHKホームページ.
5) 「新型コロナ「第5波」到来,ワクチン接種の現状は?」,当院ホームページ.
6) 山陽新聞デジタル(2021年8月18日更新),山陽新聞ホームページ.
7) 岡山県内における新型コロナウイルス感染症の患者発生状況(令和3年8月発表分),岡山県ホームページ.
8) 山陽新聞デジタル(2021年8月24日更新),山陽新聞ホームページ.
9) 山陽新聞デジタル(2021年11月16日更新),山陽新聞ホームページ.
10) 新型コロナワクチン接種について(2021年8月6日),岡山市ホームページ.
11) 新型コロナワクチン接種状況(2021年11月27日),Yahoo! JAPANホームページ.
12) DOI: 10.1056/NEJMoa2114228(October 27, 2021)
13) 追加接種(3回目接種)についてのお知らせ(2021年11月16日),厚生労働省ホームページ.
14) 特集 新型コロナウイルス(2021年11月27日更新),毎日新聞ホームページ.