よくある糖尿病Q&A⑭を公開しました。
今回の内容は「検診で腎機能障害の疑いと言われたら?」です。
・どの項目を見ればよいのか?
・血清クレアチニンって何?
・尿検査は必要?
分かり易くショート動画で説明していますので、是非ご閲覧ください。
【概要】
★検診で「腎機能障害の疑い」を指摘されたら?
慢性腎臓病になると腎不全(透析)のみならず、心筋梗塞、脳卒中などの発症や死亡の危険性が高くなります。そのため、慢性腎臓病を早期に見つけることが重要です。
慢性腎臓病の診断には、尿検査(蛋白尿や血尿など)と血清クレアチニン値の両者が必要です。多くの場合、慢性腎臓病では自覚症状は透析の直前まで出にくいため、早期発見には検診での尿検査が欠かせません。
★「クレアチニン値」が高いと言われたら?
腎機能の評価には様々な検査がありますが、血清クレアチニンは最も良く利用される検査の一つです。クレアチニンは、主に筋肉で産生され、血液内を流れ、腎臓でろ過され、尿から排泄されます。筋肉で産生されるクレアチニン量は、筋肉量に依存してほぼ一定です。一方、尿から排泄されるクレアチニン量は、腎臓でろ過される血液の量に依存します。この、腎臓でろ過される血液の量を、糸球体ろ過量(GFR)と言い、腎臓の機能を表す主要な指標となります。
腎臓の機能が悪化し、尿への排泄量(GFR)が低下すると、血清クレアチニン値が上昇します。正常値を少し超えた程度の異常値の場合、自覚症状はほとんどありませんが、腎機能としては大きく低下していることがあるため注意が必要です。腎臓の機能を評価するには、血清クレアチニン値だけではなく、年齢、性別、および血清クレアチニン値で算出される、推算GFR(eGFR)の値も参考にしてください。
また、筋肉量が極端に少ない方では、血清クレアチニン値は腎機能を正確に示さない事が知られています。その様な場合は、シスタチンCという別の血液検査値を用いて腎機能を評価します。シスタチンC値を用いても推算GFRを算出する事が可能です。